藤川社長とは今から12年前、当時の事務所の隣にあった倉庫で、たまたま声をかけたのがきっかけでな。
そこから遊具の配達を手伝ったり、プライベートで食事をしたり付き合いが深くなってな。
それで家具の商売が厳しくなってきた頃に、藤川社長から「おっちゃん、遊具修理の仕事をやってみいへんか?」と声をかけられてな、初めて幼稚園さんに入って遊具の修理をさせてもらったのが、今の「営繕」の始まりなんや。
営繕は物を作って売るのではなく、直し方のアイデアを追求する仕事なんや。最初はやったことがない仕事ばかりやったけど、徐々に知恵がついてきて、「モノ」に触ると直し方のアイデアが見えてくるようになった。これは言葉だけでは伝えられんから、若い子たちには一緒についてきてもらって、現場で経験してもらうしかないと思ってる。
どんな仕事も学歴ではなく、この仕事が好きでやりたいという気持ちがないとできん。
最近は我慢できる子がなかなかいない。一緒についていって一緒の時間を過ごして、失敗を重ねることで、成長していけると思う。
一緒の釜の飯を食っている仲間どうし、助けあっていかなあかんと思う。
おっちゃんも独立したころ、気が大きくなって、事業に失敗してな。人生が変わる怖さを経験したんや。今はリンクグループや嫁さんがお金の管理をやってくれているから、順調に行っていると思う。言葉では言いにくいが「ありがたいなぁ」と思うとる。
グループの中にいると、和を感じる。バラバラの会社でも、この仲間ならそう感じられるんやわ。
今、若い子たちが現場に一緒に入ってくれてるけど、おっちゃんとしては孫みたいな年齢の子と仕事できるのがありがたいな。
おっちゃんは、この若い子たちに技術だけじゃなく、義理人情を伝えていきたいと思ってる。
かけてもらった恩は忘れてはいけない。今の時代に欠けている、義理の果たせる子、筋と情を感じられる子を育てていきたいな。